取材雑貨・インテリア
高槻の工務店に広がるアメリカンな世界。気軽に立ち寄れる雑貨店「COLOR」
高槻市大塚町、株式会社井上工務店の1階にあるアメリカン雑貨店「COLOR(カラー)」。 店内に足を踏み入れると、輸入キャラクター商品やCAR用品、工具、生活雑貨、家具など、見ているだけでも楽しくなるようなアイテムがずらり。 ポップでカラフルなものから、どこか懐かしさを感じるヴィンテージテイストのものまで、さまざまなアメリカン雑貨が並んでいます。 実はCOLORが生まれた背景には、「雑貨店をやりたかった」という理由だけではなく、工務店だからこその、ある思いがありました。 「工務店って、ちょっと入りづらい」 「おしゃれな建物だから、家を建ててもらったら高そう」 そんなイメージをもっと身近なものにして、用事がなくても気軽に入ってきてもらえる場所をつくりたい。 そこから始まったのがCOLORです。 今回は、COLORが誕生したきっかけから、ゼロから始めたお店づくり、商品選びや仕入れ、これから目指しているお店の姿までお話を伺いました。

「誰でも入ってきてもらえる場所にしたい」から始まったCOLOR
現在COLORがある場所は、もともと雑貨店としてつくられたスペースではありませんでした。 株式会社井上工務店の社屋1階にある、ガラス張りのスペース。 外から見るとデザイン性のある建物だからこそ、 「井上工務店で家を建てたら高そう」 「工務店だから、家の相談がないと入りにくい」 そんな印象を持たれてしまうのではないか、という話が社内で出ていたそうです。 そこで考えたのが、もっと間口を広げること。 家を建てる予定がなくても、リフォームの相談がなくても、誰でもふらっと立ち寄れる場所をつくる。 その方法として出てきたのが「雑貨店」でした。 取材では、「特に目的がなくても、何か面白いものがありそうだから入ってみる」場所のイメージについても話してくださいました。 雑貨を見るために入ってもいい。 気になるものを探しに来てもいい。 そして、その場所が結果的に工務店を知るきっかけになってもいい。 工務店と地域との距離を縮める、新しい入口としてCOLORはスタートしました。なぜアメリカン雑貨?きっかけは、とてもシンプル
では、数ある雑貨のなかから、なぜ「アメリカン雑貨」だったのでしょうか。 その理由を伺うと、返ってきた答えはとてもシンプルでした。 「ただただ、僕が好きだからですね」 自分自身がアメリカン雑貨を好きだったこと。 そこからCOLORのお店づくりが始まりました。 現在の店内にも、その「好き」が随所に表れています。 一つひとつの商品を眺めているだけでも、「これは何に使うんだろう?」「こんなのあるんや」と、ついつい次の商品へ目が移ります。 公式サイトにも掲げられているのは、「日常にワクワクと感動を」という言葉。 部屋の一角に置くだけで雰囲気が変わるものや、日常のなかに少しだけ非日常を感じられるものなど、COLORならではの視点で選ばれたアイテムが並びます。


「これ、売り物ですか?」から始まった雑貨店
今でこそ店内にたくさんの商品が並ぶCOLORですが、オープン当初は「工務店の1階に雑貨店がある」ということ自体が、まだほとんど知られていませんでした。 そのため最初の頃は、 「これ、売り物ですか?」 と聞かれることも多かったそうです。 もともと工務店として知られている建物。 その1階でアメリカン雑貨を販売しているとは、外から見ただけでは想像できなかったのかもしれません。 オープン当初は、まず知り合いなど身近な人たちがお店へ。 そこから人づてに少しずつ存在が広まり、Instagramでの発信なども重ねながら、お店を知ってもらう機会が増えていきました。 さらに、取材では「この周辺でもアメリカン雑貨店が少なくなってきている」というお話も。 工務店が運営するアメリカン雑貨店という珍しい組み合わせも含めて、COLORならではの個性になっています。雑貨店の経験はゼロ。仕入れ先探しから一つずつ
COLORの立ち上げは、最初から雑貨店運営のノウハウがあったわけではありません。 取材で当時について尋ねると、 「全部が苦労しましたけどね」 と笑いながら振り返ってくださいました。 どのように商品を並べるのか。 レジをどうするのか。 どこから商品を仕入れるのか。 在庫をどうやって管理するのか。 雑貨店として必要になるものを、一つひとつ調べながら形にしていったそうです。 特に大変だったのが、仕入れ先探し。 最初は仕入れのルートも分からず、さまざまな雑貨店へ問い合わせたり、自分たちで調べたりしながら取引先を探していきました。 「もう、馬鹿正直にいきましたね。分からないんで」 そんな言葉からも、本当にゼロからお店を立ち上げていったことが伝わってきます。 好きなものを扱う楽しさがある一方で、一つのお店として成り立たせるためには、商品選び以外にもたくさんの仕事があります。 COLORは、そんな試行錯誤を積み重ねながら少しずつ現在の形へと育っていきました。店内にも生かされている「工務店」の技術
COLORを見ていると、商品だけではなく店内そのものにも注目したくなります。 実は店内には、井上工務店が運営しているからこその工夫があります。 例えば、レジ台も手作り。 建築で使用する材料を活用しながら、「ここに合うものがないならつくろう」と自分たちで形にしたそうです。 一般的な雑貨店なら什器を購入するような場面でも、そこは工務店。 自分たちで考えて、自分たちでつくることができます。 「工務店×アメリカン雑貨店」という一見すると珍しい組み合わせですが、実際にお店をつくっていく場面では、その組み合わせだからこそできることもたくさんあります。 COLORの商品を見るのはもちろん、店内のつくりにも目を向けてみると、また違った楽しみ方ができそうです。見えないところでは、在庫もしっかり管理
店内にはたくさんの雑貨が並んでいるため、その裏側では在庫管理も欠かせません。 COLORでは、オープン当初から在庫管理にも対応できるレジシステムを導入。 取材では「最初に入れておいてよかった」と話すほど、現在のお店の運営にも役立っているそうです。 さらに、母体が工務店ということもあり、商品の在庫状況についても毎月きちんと確認しています。 自由で楽しい雰囲気の雑貨店ですが、その裏側には工務店らしい丁寧な管理がありました。一人で始めたお店から、スタッフとつくるお店へ
立ち上げ当初は、仕入れから商品管理、店舗運営まで、さまざまな仕事を一人で担っていたそうです。 しかもCOLORだけではなく、井上工務店の総務関係の仕事も並行して担当。 商品を探し、仕入れ先とやり取りをして、店頭に並べ、在庫を管理する。 好きなアメリカン雑貨に関わる楽しさがある一方で、一人で続けていくには大変な部分もありました。 「誰かいてくれないと休みも取れない」 そんな状況からスタッフが加わり、その後さらに仲間が増えていきました。 現在は、ディスプレイを担当する人、在庫や自社サイトの管理に携わる人など、それぞれ役割を持ちながらお店を支えています。 最初は仕事をどこまで任せるのかという難しさもあったそうですが、今ではスタッフを信頼し、それぞれに任せられる部分も増えてきました。 一人から始まったCOLORは、少しずつ「みんなでつくるお店」へと変わっています。
雑貨だけでは終わらない。COLORから広がる新しい挑戦
COLORの面白いところは、雑貨を販売することだけをゴールにしていないところです。 雑貨は、一つひとつの商品単価だけを考えれば大きな事業ではないかもしれません。 だからこそ、COLORというブランドを起点として、井上工務店が持っている建築の技術と組み合わせながら、新しい事業の柱をつくっていこうと考えています。 その一つとして始まったのが、別の記事でもご紹介している「スチールアーチ」です。 アメリカンな雰囲気との親和性がありながら、施工には井上工務店が長年培ってきた建築技術を生かすことができます。 雑貨、店舗、建築。 一見すると別々に見えるものが、「COLOR」という場所から少しずつつながり始めています。 さらに今後は、COLORの店舗スペース自体を広げる計画もあるとのこと。 現在事務所として使っている部分を移転し、COLOR側を増築して、より広い店舗へ変えていく構想が進んでいます。 今あるお店が、これからどんな空間へ変わっていくのか。 こちらも楽しみです。「何か面白いものないかな」で立ち寄れる場所に
COLORが目指しているのは、アメリカン雑貨が好きな人だけの専門店ではありません。 特に買うものを決めていなくても、 「何か面白いものないかな」 そんな気持ちでふらっと入って、店内を見て回る。 そこで思いがけず気になる商品と出会う。 そんな楽しみ方ができる場所です。 「工務店だから、用事がないと入りにくい」 そんなイメージから、誰でも入ってこられる場所へ。 そのためにつくられた雑貨店だからこそ、COLORには「気軽に立ち寄ってほしい」という思いが根底にあります。 高槻で少し変わった雑貨を探している方。 アメリカンなインテリアが好きな方。 そして、特に目的はないけれど「なんか面白いものないかな」と思った方も。 井上工務店の大きなガラスの向こうに広がるCOLORを、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。





