取材
【高槻市・原】耕作放棄地から生まれた国産バナナ「福バナナ」|農業と福祉をつなぐ高槻発の挑戦
高槻市の北部、自然豊かな原地区。 ここで、高槻生まれの国産バナナ「福バナナ」が育てられていることをご存じでしょうか。 「大阪でバナナ?」「高槻で本当に育つの?」 そんな声から始まった挑戦ですが、その背景をたどってみると、単に珍しい国産バナナを育てているだけではありませんでした。 耕作放棄地の再生、就労支援、農業の担い手不足、そして高槻の新しい特産品づくり。 今回は「福バナナ」のバナナ園を訪れ、その始まりから現在までのお話を伺いました。

始まりは、耕作放棄地を「どうにかしてほしい」という相談
福バナナの取り組みには、高槻で長く事業を展開してきた企業グループが関わっています。 母体となる株式会社高浄は、駅や施設などの清掃をはじめとする事業を展開する会社。そのグループ会社の一つである株式会社ユニークでは、就労支援事業に取り組んでいます。 そして、その取り組みの一つとして誕生したのが「福バナナ園」です。 きっかけとなったのは、高槻市原地区にある耕作放棄地についての相談でした。 「この土地をどうにかしてほしい」 そこから、現在の福バナナにつながる挑戦が始まりました。腰の高さまで生い茂った雑草。土地をきれいにするところからスタート
現在は立派なバナナが育つ農園ですが、最初からこの姿だったわけではありません。 当時の土地には腰ほどの高さまで雑草が生い茂り、長い間、農地として十分に活用されていない状態だったそうです。 最初に取り掛かったのは、大掛かりな草刈り。 就労支援に取り組む皆さんで土地を整えていくと、撤去したごみはトラック約2台分にもなったといいます。 それらを一つひとつ片付け、ようやく農園づくりのスタートラインに立ちました。 土地を整えた後は、バナナを育てるためのビニールハウスづくりへ。 鉄パイプの骨組みを一本ずつ手作業で組み上げ、長い時間をかけて現在のバナナ園の姿をつくっていきました。 今では当たり前のように大きなバナナの葉が広がっているハウスも、多くの人の手によって一からつくられたものです。
「高槻でバナナが育つの?」から始まった挑戦
バナナと聞けば、フィリピンやエクアドルなど、暖かい地域を思い浮かべる方も多いはず。 大阪、それも高槻でバナナを栽培すると聞いて、周囲からも「本当に高槻でバナナが育つの?」という声があったそうです。 それでも試行錯誤を重ね、現在では高槻市原地区で育ったバナナが実際に収穫され、「福バナナ」として地域の人たちへ届けられるようになりました。 一本のバナナが実るまでの背景には、農業だけでなく、福祉や地域の土地活用がつながっています。木の上でじっくり育てる、国産だからこその味わい
福バナナの魅力は、そのストーリーだけではありません。 一般的な輸入バナナは、海外からの長距離輸送を前提として青いうちに収穫され、輸送後に追熟させて販売されます。 一方、福バナナは完熟直前まで木になった状態でじっくりと育ててから収穫。その後、自然にゆっくりと追熟させていきます。 この栽培方法によって、一般的なバナナとはまた違った濃厚な甘みや独特の香りが生まれるといいます。 また、無農薬・無化学肥料で栽培し、皮まで食べられるほどやさしい仕上がりを目指して、一つひとつ丁寧に育てられています。
いつ食べる?熟し方で変わる「4つの福バナナ」
取材で特に面白いと感じたのが、福バナナは「いつ食べるか」によって味わいが変化すること。 熟度に応じて、4段階の食べ頃を楽しむことができます。 グリーンチップ 両端にまだ緑色が残っている状態。さっぱりとした甘さを楽しめます。 フルイエロー 全体がきれいな黄色になった状態。甘みと酸味のバランスが取れた、王道ともいえる味わいです。 スターバナナ 表面に茶色いシュガースポットが現れた状態。甘みが増し、より濃厚な香りを感じられるようになります。 ダップルバナナ さらに熟成が進んだ状態。とろけるような食感と、しっかりとした甘さを楽しめます。 「黄色くなったら食べ頃」で終わらないのが福バナナの面白いところ。 同じ一本でも、自分好みの熟し具合を探す楽しみがあります。バナナを育てることが、「働く場所」にもなる
福バナナを語るうえで欠かせないのが、農業と福祉を組み合わせた取り組みです。 農業に新しい担い手を生み出すと同時に、就労支援に取り組む人たちにとって、仕事や経験の場にもなっています。 使われなくなっていた土地を整備する。 ハウスをつくる。 バナナを育てる。 一つひとつ手入れをする。 そして収穫し、地域の人へ届ける。 一つのバナナ園の中に、さまざまな仕事が生まれています。 福バナナは「商品」だけを見ると、高槻で育てられている珍しい国産バナナ。 しかし、その一本ができるまでを見てみると、地域の土地と人、農業と福祉がつながって生まれたバナナであることが分かります。
子どもたちにも。バナナを通じて地域との接点をつくる
福バナナでは、栽培や販売だけにとどまらず、地域とのつながりをつくる活動にも取り組んでいます。 その一つが、地域の子どもたちに向けた自由研究などの機会づくりです。 「どうして高槻でバナナが育つんだろう?」 「バナナはどうやって実ができるんだろう?」 そんな身近な疑問を入口に、農業や自然、地域について知るきっかけにもなります。 就労支援の場としてだけではなく、地域の人や子どもたちが農業と触れ合う場所としても、福バナナ園の役割は少しずつ広がっています。一本のバナナから、高槻の新しい可能性を
耕作放棄地を再生することから始まった福バナナ。 腰の高さまで雑草が生い茂っていた土地を皆で整え、トラック2台分ものごみを撤去し、鉄パイプを一本ずつ組み上げてバナナ園をつくる。 そうして生まれた場所にバナナの木が育ち、今では「高槻産のバナナ」として地域の人の手に渡っています。 農業の担い手不足、耕作放棄地、福祉的就労。 それぞれ単独では簡単に解決できない地域の課題も、組み合わせ方を変えることで新しい価値につながるのかもしれません。 そして何より、高槻で育ったバナナが「高槻の新しい特産品」として少しずつ広がっていく。 「高槻でバナナが育つの?」 そんな疑問から始まった挑戦は、今では地域の新しい可能性を感じさせる一本のバナナへと育っています。店舗情報
パートナーPR高槻市北部
店名
住所
〒569-1051大阪府高槻市原1239 北側畑
アクセス
JR高槻駅から車で17分
営業時間
不定期のためInstagramにて告知いたします
駐車場
あり
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